ガソスタって何?
月曜日の文章カフェ vol.182
■ガソスタって何?
日曜の朝、一日遅れでゆっくり聴くのが楽しみなフクヤマのラジオ。
(*フクヤマ=福山雅治♪)
聴こえてきたのは「ガソスタ」っていう単語。
みなさん、意味わかります?
ガソリンスタンドです!
「ガソスタ」でググったらちゃんと出てきた!
しかも3年も前の記事がTOP!
……え? 知らなかったのは私だけ……?
みんな縮めて名付けるのが得意ですよね。
ファミマ
マクド(あ、マック派もいますか?)
誰が呼び始めて、どうやって拡散して使い始めるのかナゾですが
こうした流行の言葉もアンテナを張って、知っておくに越したことはないなと感じます。
TPOに応じた言葉選びや表現に通じるからです。
*発信するツール
*届けたい読者層
*伝えたい内容
それぞれ特徴があり、響くものも異なり、受け取って欲しいことも違うはず。
カジュアルがいい?
固い表現が好まれる?
そんなことも考えてみてね。
ちょっとひと手間
月曜日の文章カフェ vol.181
■ちょっとひと手間
「違う人の番号です」
先日、年金事務所から届いた書類に書かれていた一言……。
提出物に記載した基礎年金番号に、記入ミスがあったようです。
「違う人の番号」って……。他に言い方があるだろうに。
あなたもやってません?
「伝言お願いします」
「確認してください」
ぶっきらぼうな印象を与えていることって多いんです。
そんな時に使えるとイメージが変わるのが、クッション言葉。
「失礼ですが」
「恐れ入りますが」
「お手数ですが」
目にしたことはありませんか?
「恐れ入りますが伝言をお願いします」
「お手数ですがご確認ください」
ちょっと一言添えるだけで、雰囲気がぐっとやわらかくなりますね。
活字だけで伝える場合は、誤解も生まれやすいもの。
ちょっとした気遣いが添えられているだけで、伝わり方が各段に上がります。
さて、冒頭の年金事務所からの文書、
あなたならどんなクッション言葉を添えますか?
させていただく
月曜日の文章カフェ vol.180
■させていただく
仕事柄、いろいろな方のブログを読ませていただきますが
「なぜ、こんなに上から?」と思わせる残念な記事に出会います。
ご本人にそんなつもりは全然ないはずなんですけど。
たとえば、お客様に
「教える」
「~してほしい」
「~してもらう」
みたいな言い回しです。
さて、あなたならどんな言葉を選びますか?
いわゆる「謙譲語」の出番なわけですが、もうそれだけで難しそう!?
大切なのは、そんなふうに頭で考えないこと。
仕事でお客様と向き合う時、「してあげている」と思うか
「させてただいている」と感じているか。
つまり、心の持ち方です。
「させていただいている」という意識を基本に持っていれば、
おのずと適切な言い回しが見つかるはず。
教える→お伝えする
してほしい→していただきたい
してもらう→していただく
お仕事ですから、やはり相手を立てた表現を、上手に使いたいですね。
使い分けられる?
月曜日の文章カフェ vol.179
■使い分けられる?
コロナ禍がもたらしたものはいろいろありますが
活字フェチにとってはこんなものもあります。
↓
「あける」って、どう書くの?
いわゆる“ソーシャルディスタンス”です。
要は「距離をあける」ってことですね。
空ける・開ける・明ける
この「あける」を正しい漢字で使い分けられますか?
こうした同音異義語はてこずるシーンが多いかもしれません。
「空ける」は「からっぽになる」。空き家、席が空く、間が空く
「開ける」は「ひらく」。通路を開ける、ふたを開ける、店を開ける
「明ける」は「明るくなる、中身が分かるようになる」。
年が明ける、夜が明ける、連休明け
漢字の意味がわかると、使うシーンもなんとなく連想できませんか?
使うべき漢字そのものを憶えようとするより
漢字の持つ「意味」を考えてあてはめてみると
使い分けが多少はラクに。
とすると「距離をあける」もわかりますね。
そう、「空ける」です。
「1」?「一」?
月曜日の文章カフェ vol.178
■「1」?「一」?
数字の表記って悩みませんか?
「1」→算用数字
「一」→漢数字
とよばれるものです。
一つの目安になるのは、他の数字に置き換えられるか。
置き換えられれば「1」などの算用数字。
ことわざや熟語など、置き換えられない場合は「一」などの漢数字。
これが覚えやすいルールでしょう。
実は文化庁に、公用文を書く上での約束事があるんです。
↓
ちょっとコムズカしいですが、興味のある方はのぞいてみてね。
それによると、置き換えられるのは数量、順序など数えられる数字。
1階建て、2階建て……1人分、2人分……。
置き換えられないのはポツンと「一軒家」(二軒家って言いませんね)、
息子が「一人前」になった(二人前になるとは言わない)。
こうしたルールが正解のすべてではありませんが
自分なりの基準を持っておくと
文章づくりがちょっとラクになるかもね。
「イ」の居場所
月曜日の文章カフェ vol.177
■「イ」の居場所
「おいしいくて、お値打ち価格の手土産3選」
先日、目に入った記事タイトル。
個人的に違和感を感じたのですがわかりますか?
「おいしいくて」
最近よく見られる表現です。
一部、方言として日常的に使われているそうですが
活字を扱う職業人としては居心地が悪い。
正しくは「おいしくて」。
他にも
*美しいくない→ ○ 美しくない
*きれいくない→ ○ きれいじゃない
*濃いくない→ ○ 濃くない
などよく目につきます。
*違うかった→ ○ 違った
なんてのもあります。
学生時代、習いましたね。
終止形/おいしい
過去形/おいしかった
否定形/おいしくない
仮定形/おいしければ
テ形/おいしくて
って活用形! 「イ」は略される形です。
とはいえ、すでに多くの人が普通に使い始めていて
「間違い」と言い切れないのも事実。
SNSのカジュアルな言葉が前面に出てくると
日本語の美しさが消えていく……。
ちょっと寂しい私です。
揺らいでませんか?
月曜日の文章カフェ vol.176
■揺らいでませんか?
「表記揺れ」って知ってます?
一つの文章の中にいろんな書き方が混ざって
存在してしまうことです。
例えば……
1行目では「子ども」と書いて5行目には「子供」と書いちゃっている。
よくあるのがカタカナ表記。
「エンゼル」と書いたかと思えば、ある箇所では「エンジェル」だったり。
ちょっと難しいのは
「昔はこの字だったけれど今はこちらも使います」
という言葉。
例えば「素姓」と「素性」みたいなケースです。
間違っていなければ文章の意味が変わるとか
伝わり方が異なってくるなんてことはないので
(厳密には「素性」はちょっと異なりますが)
プロの文章でなければそう大きな問題ではありませんが
読み手は無意識のうちにこうした見た目の整わない文章から
落ち着きの無さや居心地の悪さを感じとります。
信用や信頼を無くしかねない文章になっちゃうのです。
細かな気配りは大切。
文章は確認のために必ず読み返してね。